台湾・香港から展開開始、技術基盤を武器に100カ国以上へ拡大へ

グローバルアプリの提供開始

メルカリは2025年9月30日、世界共通で利用可能な「グローバルショッピングアプリ」を発表した。まず台湾・香港での提供を開始し、2026年春には米国での展開を予定。3年以内に50カ国、最終的には100カ国以上でのサービス提供を目指す。

技術基盤の中核要素

新アプリは多言語・多通貨対応を標準搭載し、リアルタイム翻訳や現地決済手段への対応を実装。物流面では佐川急便をはじめとする国際配送事業者と連携し、通関や配送追跡をシステム的に統合する。決済にはStripeを採用し、グローバル規模でのトランザクション処理を可能にする。

また全商品に検品を導入することで、偽造品や品質問題に対応。AIを活用した画像認識や検査ワークフローも今後取り入れる計画とされ、安心安全な取引基盤の強化を図る。

出品者向けEC基盤との統合

国内の「メルカリ」や「メルカリShops」に出品した商品は、自動的に海外アプリにも掲載される仕組みを採用。出品者は特別な越境対応を行う必要がなく、既存の在庫や商品情報をそのまま海外市場に展開できる。

この設計はAPIファーストアーキテクチャに基づき、国内版とグローバル版を連携させる。将来的には、商品情報の自動翻訳、在庫同期、通関書類の自動生成なども想定されている。

越境EC市場の拡大と競争力

メルカリの越境EC事業は直近3年で流通総額が15倍に成長し、900億円規模を突破。世界的にも越境EC市場は拡大しており、AmazonやAliExpressといった巨大プレイヤーと競合する中で、メルカリは「日本発の商品」と「安心できる取引体験」を強みとして差別化を狙う。

今後の展望

メルカリは今回のグローバルアプリを、フリマアプリからグローバルEC基盤へと進化させる第一歩と位置づけている。

スケーラブルなマイクロサービス構成、各国法規制への柔軟な対応、そしてユーザー体験を重視した設計が、今後100カ国以上での展開実現に不可欠となる。

引用

株式会社メルカリ

メルカリ、世界共通ショッピングアプリを発表